大槻研にご関心をお持ちいただき、ありがとうございます。このページでは当研究室へ進学を希望される方に向けて、研究環境や運営方針についてまとめています。

当研究室では、環境と経済の観点から持続可能な社会の実現に向けて、エネルギー・電力システムの将来像や様々な脱炭素技術の経済性・導入ポテンシャルなどを検討しています。この分野は工学や理学のみならず、経済学や社会科学にも深く関連する文理融合的な分野です。
例えば、当研究室では2040年や2050年、更には2100年に向けて最適なエネルギーや電源の組合せ(エネルギーミックスや電力系統運用など)を数理モデルで検討します。その際にはオペレーションズ・リサーチや経済学、電気工学などの知識が有用です。また、エネルギーの需要側(産業や建物、運輸でのエネルギーの使われ方など)の理解には機械工学や建築の知識が役立ちます。
他方で、将来の技術・インフラ導入の検討は工学的なシミュレーションだけで完結するわけではありません。その技術やインフラが社会に受け入れられるか、法制度面はどうなっているか・どのようにすべきか、各国の国益や産業競争力の観点からどのような政策を打つべきかという観点も重要で、これらの社会科学的な視点からの研究も深めていく必要があります。
そのため、当研究室では幅広いバックグラウンドの皆様を歓迎します。エネルギー・環境問題や、技術と社会の関わりに関心がある学生・社会人の方は是非、お気軽にご連絡をください。研究室の見学・進学相談も大歓迎です。
なお、当研究室は早稲田大学大学院環境・エネルギー研究科に所属しています。研究室は西早稲田キャンパスの51号館にあります。

どのような目的で研究を行っているの?
カーボンニュートラルかつ低廉,強靭なエネルギー・電力システムの構築に向けた研究を行います。学術的成果はもちろん、実社会(政府や企業の意思決定)に資する成果の発信を目指します。具体的な研究テーマはこちらをご覧ください。
研究指導はどのように進めるの?
研究室全体および研究グループの会合を通して研究指導を行います。頻度は研究室全体・研究グループともに概ね週1回です。これらの会合は原則、参加必須です。また、積極的に学会発表を行って頂きます。きめ細やかな指導を目指します。
研究環境は?
2022年4月設立の比較的新しい研究室ですが、デスクやコンピュータなどの研究環境は整備されています。シミュレーションは専用の計算サーバーを用いて実施します。

研究用計算サーバー|研究室独自のサーバールームを保有しており、計算環境は充実しています
企業との共同研究や公的資金の研究に携わることはできる?
当研究室の分野は社会的にも関心を集めています。エネルギー企業様や外部研究所様との多数の共同研究を実施しており、また、科研費をはじめとする公的資金の研究も進めています。条件によっては学生の皆さんも参画していただきます。その際には、(資金元や研究内容等の条件が合えば)研究室から学生に給料をお支払いして研究を行ってもらうことがあります。
就職先は?
電源開発、電通総研、日立製作所、本田技研工業、前田道路、みずほリサーチ&テクノロジーズ、りそなデジタル・アイ、age maker、PwCコンサルティング (五十音順、アルファベット順)
学費が心配…
早稲田大学は私立大学であるため、国公立大学に比べると学費負担は大きくなります。他方で、早大では独自の奨学金が充実しており、院生が対象となるものもあります。また、上述の通り、条件が合えば、当研究室から学生に給料をお支払いして研究を進めていただくこともあります。これまで3名の修士課程学生を雇用しました。
研究室イベント
懇親会や施設見学会、研究室旅行を企画していこうと思います。懇親会は年3~4回程度、飲み会を実施しています(自由参加、ソフトドリンクのみOK)。施設見学会では、揚水式水力発電所や廃棄物発電所、製油所、製鉄所、電力会社様研究所などを訪問させていただいています。エネルギー・環境問題の現場を理解する機会を設けています。

修士論文
- 地理的・時間的に詳細な日本エネルギーシステムモデルによる洋上風力発電の経済性評価(2025年度、渡辺弘樹)
- 鉱物循環経済を考慮した世界エネルギー・鉱物需給モデルによる車載用・定置用蓄電池の最適導入量評価(2025年度、濱田僚)
- マルチエージェント強化学習に基づく世界エネルギーシステムモデルの構築(2025年度、佐々木洋翔)
- 世界の土地競合を考慮した太陽光・太陽熱・陸上風力発電の資源量推計(2025年度、國武凜太郎)
- Development of a Spatiotemporally Detailed Optimal Power Generation Mix Model for Renewable Energy Integration in Nigeria(2025年度、Olawumi Abayomi Ebenezer)
- 既存住宅ストックおよび設備ロックインを考慮した家庭部門の脱炭素技術選択に関する研究(2024年度、松原里江)
- 鉄鋼部門を考慮した世界エネルギーシステムモデルによる水素還元製鉄技術の評価(2024年度、菱沼恒平)
卒業論文
- 世界の堆積盆地の地下帯水層におけるCO2貯留ポテンシャルに関する研究(2025年度、齊藤成志)
- 日本の国内航空部門における脱炭素技術の導入可能性に関する研究(2025年度、加宅田真裕)
- 要因分解に基づくCO2限界削減費用曲線の構築手法に関する研究(2024年度、横尾学人)
- 世界の洋上風力発電ポテンシャルに関する研究(2024年度、橋本祐斗)
- 白金・パラジウム・ネオジムを考慮したエネルギー技術選択に関する研究(2024年度、芝田和弥)
- 日本全国の基幹送電網を考慮したエネルギーシステムモデルによる電力需給評価(2023年度、渡辺弘樹)
- リチウム・コバルト・ニッケルを考慮した世界エネルギー・鉱物需給モデルの開発(2023年度、濱田僚)
- エネルギーシステムモデルにおける非同期電源比率制約の定式化と発電・電力貯蔵技術の評価(2023年度、米田峻)
- 電力50Hz地域の基幹送電網を考慮したエネルギーシステムモデルによる脱炭素シナリオの評価(2022年度、土川真一)