
大槻と(一財)日本エネルギー経済研究所の柴田善朗 研究理事、萩田達哉 主任研究員にて執筆した論文がElsevier社の新興雑誌Transformative Energyに掲載されました。論文リンクはこちらです。
海外の再生可能エネルギー由来の水素キャリア製造・輸入費用について、合成メタン、液化水素、メチルシクロヘキサン、アンモニアの比較を行いました。1時間レベルの太陽光・風力発電変動性やその対応費用(オンサイト蓄電池や水素貯蔵、港湾での貯蔵タンクなど)を明示的に考慮した上で、エネルギー起源CO2正味ゼロ排出のサプライチェーンを検討しました。既存のLNG・都市ガスインフラとの親和性を背景に、本研究では特に合成メタンに着目しています。
分析の結果、アンモニア直接利用がコスト優位であると共に、合成メタン(サバティエ反応を想定)はそれに次ぐ経済性を有することが示唆されました。また、革新的メタネーション技術によって、合成メタンのサプライチェーン費用はアンモニア直接利用に近づくことも示されました。他方で、そのようなコスト低減の実現には、メタネーション技術に出力柔軟性を具備することが重要であることも示唆されました。更に、合成メタン貿易の社会実装には国際的なCO2アカウンティングルールの整備が必須であることも定量的に議論しています。
掲載情報|Takashi Otsuki, Tatsuya Hagita, Yoshiaki Shibata, Assessment of the seaborne supply chain costs of green hydrogen energy carriers with a focus on synthetic methane, Transformative Energy, Volume 3, September 2026, 100015, DOI: 10.1016/j.tegy.2026.100015